デザイン

アップルのロゴの誕生秘話

世界中のファンが落胆する、デザイナーの衝撃的な告白

ロゴの「リンゴがかじられている」意味は、聖書の『アダムとイブ』の禁じられた果実リンゴのことで、禁断を破った人類の進歩を表している。そして、もうひとつの意味、「bite(=かじる)」と、コンピューターの情報量の単位「byte(=バイト)」をかけていると、日本のメディアでも紹介されましたが、ロゴをデザインしたロブ・ジャノフ(Rob Janoff)さんは、これらの伝説を否定しています。Appleのリンゴマークのロゴをデザインしたデザイナーが、誕生秘話をインタビューで明かしています。創業当時、Appleのロゴにはニュートンが描かれていたいました

Appleのロゴをデザインしたロブ・ジャノフ氏は、1977年にシリコンバレーのマーケティングコンサルティング会社、レジス・マッケンナに就職します。スティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏が、創業間もないApple Computerのロゴデザインを依頼しました。創業当初、Apple Computerのロゴは、「第三の共同創業者」と言われるロナルド・ウェイン氏がデザインした、ニュートンがリンゴの木の下に座っている複雑なデザインで今のアップルのコンセプトとかけ離れる物でした。

ジャノフ氏は、Appleのロゴはこれまでデザインした最高の作品で、このロゴを上回るものはないと、デザインから40年経った今も最高傑作であると胸を張ります。

ロブ・ジャノフ氏

スティーブ・ジョブズ氏が会社にAppleと名付けた理由について問われると、「スティーブは、果食主義者で、北カリフォルニアの牧場で生活していた時期があって、リンゴが完璧な食品だと考えていた」と、ジョブズ氏の生活にルーツがあることを明かします。
そして、「契約書にサインする前日、会社名の候補リストの中で、最高の名前がAppleだった」「ウォズニアック氏が、(ビートルズの所属する)アップルレコードに訴えられることを心配して止めたものの、Appleに決定した」と、Appleの名称の由来を明かしています(後日、Appleはアップルレコードと裁判で争うこととなります)。世界中で親しまれ、Appleのブランドを象徴する存在であるリンゴマークは、右上がかじられているのが特徴です。一部が欠けたデザインについて、ジャノフ氏の真意とは別に、もっともらしく脚色され、ドラマチックに多くの説が語られていますが、ジャノフ氏は「ほかの果物と見間違われず、リンゴだとひと目で分かるようにしたかったから」とその理由を語っています。

ロゴが完成した時の、スティーブ・ジョブズ氏の反応は、「微笑んでうなずいた。多くは語らなかった」だけだったそうです。ジャノフ氏は「おかげで、アイデアを必死で売り込まなくて済んだ」と当時の心境を振り返ります。
「コンピュータを暖かく親しみやすい存在にしたかった」との願い込めたロゴを作りました。初代のAppleロゴがカラフルなレインボーカラーである理由は「当時のライバルとの違いを出すためだった」と語っています。

インタビューでライバルの具体名は語られていませんが、当時のコンピュータの巨人、IBMを指していると考えられます。

カラフルなロゴには、ジャノフ氏の「コンピュータを、冷酷でネガティブなイメージのある存在から、暖かく親しみやすい存在にして、家族が使える存在にしたかった」という願いが込められていたそうです。事実、Apple IIは大ヒットとなり、業務用計算機だったコンピュータが、パーソナルな存在となっていく転機となりました。優れたロゴの条件は「シンプルさ」と語っています。スティーブ・ジョブズ氏はのちにこんな言葉を残しています。「シンプルにするっていうのは、複雑である事よりずっと難しいんだ。シンプルなものを生み出すには、思考をシンプルにしなければならないからだ。しかしそうする価値はある。そこに到達できれば、山をも動かせるからだ。」

インタビューの最後に、ジャノフ氏は優れたロゴの条件を「シンプルさ」だと断言しています。「多くの企業が、ロゴに数多くの条件を求めるが、それは失敗の元凶だ」と、シンプルで際立った存在であることの重要性を語っています。
アップルのロゴの本当の凄さは「黄金比」でデザインされており、誰がみても美しく感じる、視覚の特徴で構成されています

しかし、この「かじられたリンゴ」のデザインは、実に精巧に計算されていてます。なんと、そのほとんどが「黄金比」で構成されていると、ブラジルのビジュアル・デザイナーThiago Barcelosさんが発見・解明して話題になりました。ロゴは1977年に考案して、コンピューターを使わずに手書きで作成したそうです。

ジャノフ氏がデザインしたAppleのロゴは、1977年から1998年までの21年間にわたり使用され、その後、カラーリングは変更されながら今も使われています。最初のデザインのラフを手書きで書いていた時は、世界で誰もが知るロゴになるとは思いもしなかったかもしれませんね。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

著作家/写真家/designer 冨永 淳
bridal photographerを経て独立、九州を拠点に作家活動と作品制作を行う。web magazine[HOUR]企画・編集・執筆・デザインを行う。

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